『ヨナ抜き音階と日本の音楽教育12

日本の旋律を作る4つの音階

私がよなおしギターのアイディアを思いついた時は、まだまだ知識が浅く(もちろん今でも十分ではない)、ヨナ抜き音階とは『童謡や唱歌に多く使われる音階である』という程度の認識しかなかったんです。

その為、このアイディアで特許を出願する時には、6本の弦をヨナ抜き音階(ドレミソラド)に合わせる方法のみを明記しました。

ところが、旧ブログでBEGINさんの名曲『三線の花』の演奏動画をアップする時にハッと気が付いたんです…

よなおしギターは、ヨナ抜き音階だけではなく世界中にある全ての5音音階を簡単に弾くことが出来る楽器であるという事に。

【旧ブログの記事はこちら⇒】沖縄音階~『三線の花』演奏動画~


『三線の花』を演奏する時には沖縄(琉球)音階に合わせました。そうすることで、ヨナ抜き音階にチューニングを合わせた状態よりも簡単に演奏できたんです。

何故なら、この曲のメロディには琉球音階が多用されているからなんです。

この経験から、よなおしギターを使えば、ヨナ抜き音階や琉球音階に限らずあらゆる5音音階で作られた曲を簡単に演奏できることが分かったんです。

更に言えば、いわゆる民族音楽的なものは5音音階で作られているものが多いんです。逆に言うと、西洋的な7音音階の方が特殊なんですね。

そう考えると、よなおしギターは多くの民族音楽で使われる音階を再現し、それらの音楽をある程度は簡単に演奏することが出来るという訳です。

また、日本だけに限っても5音音階はいくつも存在します。

今回の特集記事『ヨナ抜き音階と日本の音楽教育』を書いていて分かったのは、日本人はやはり古来から自分たちの生活の中で慣れ親しんできた日本特有の旋律が好きなんだということ。

それは、普段は音階など意識していない人でも、あるいはロックなどの西洋発祥の音楽が好きな人でも、『パプリカ』があれだけヒットしたことを考えれば、遺伝子レベルで反応してしまうことなのだと思わざるを得ないのです。

ここに、それら日本人が親しみ歌い続け、遺伝子レベルにまで我々の心に溶け込んだ日本特有の音階を載せます。

これらは、小泉文夫氏が提唱する4種類の3音グループ『民謡の3音』『都節の3音』『律の3音』『琉球の3音』をそれぞれ2つ繋げて出来た音階です。

日本のメロディで使われる4つの音階

※音と音の距離が分かりやすいスケールグラフでの表記はこちらです。

日本音階スケールグラフ(5音音階)

これらの音階を鳴らすと以下のようになります。(音量が大きいので注意!)




これら4つの音階の最大の特徴は『核音』です。

核音とは、正にメロディの核となる音で、月が地球の引力を利用して回るように、メロディが核音に引っ張られ核音を中心に上下して歌が進んでいく感じです。

核音となる音は、歌が進むにつれコロコロと変わる場合も多く、最終的にはどれかの核音で終止します。

西洋音楽の主音と似ていますが、その支配力は主音の比ではなく、やはり周りの音を引きつけるような吸引力を持っているというイメージがあります。

そういったことを踏まえて、もしお手元によなおしギターがありましたら、4つの音階の内お好きなものをチューニングに合わせて無作為にメロディを奏でてみて下さい。左手は使わず、右手の親指で好きな弦を弾いていくだけで大丈夫です。

きっと、その無作為に弾いたメロディにさえ何だかとても懐かしさを感じることに驚くと思います。

そうなると、こんなメロディはどうだろう?もっと良いメロディはないかな?と、いつの間にかメロディ探しに夢中になるかもしれません。

正にこれは、作曲ですね。


そして、よなおしギターへ

よなおしギターは、ヨナ抜き音階という近代教育の開拓者である伊沢修二がその概念を打ち出した音階にチューニングを合わせるのが基本です。

ヨナ抜き音階に合わせたこの楽器を使ってレッスンや小学校のクラブで教えていますと、最も驚くのはその習得の早さです。

初めて持った状態から最初の1曲のメロディを弾くのに5分も掛からない。5時間のレッスンをすればスリーコードでの伴奏も可能。つまり数時間あれば合奏まで出来る。

これはもちろん、演奏が簡単というのが一番の要因なのだけど、それと同時に教えるのも難しくないということが更にこの楽器の習得の早さにつながっているんです。

よなおしギターは、ギターの習得という難しいことを誰にでも分かりやすくすることが出来る楽器ということが言えるでしょう。

それは正に、伊沢修二の秀でた才能そのもの。この楽器には彼の遺伝子が受け継がれていると思えてなりません。

それと同時に、必ずしも伊沢修二が最良とはしなかった、ヨナ抜き音階(呂音階)以外の日本の音階も、よなおしギターは片手で簡単に演奏することが可能です。

古来からの音階に触れることで、西洋音楽を始め様々なワールドミュージックが氾濫する今でも、我々が日本人であることを遺伝子レベルで感じることが出来るでしょう。

近代教育の父ともいえる伊沢修二の意思を受け継いだよなおしギターは、これから先の日本の音楽教育に欠かせない楽器になると、私は本気で思っています。

私が伊沢修二ほどの予見力を持っているとするなら、きっとその予想は的中し、米津玄師のような才能や感性が学校教育において次々に生まれ磨かれていくことでしょう。

【ヨナ抜き音階と日本の音楽教育 全12記事】
(一)近代教育の開拓者 伊沢修二
(二)近代音楽教育が目指したゴール
(三)伊沢修二の実験と理屈
(四)長調への拘りと体操教育での経験
(五)たどり着いた答え『呂音階』
(六)呂音階の推進を後押しするもの
(七)集大成『小学唱歌集』に見られる拘り
(八)伊沢修二に対する批判と民謡音階
(九)伊沢修二とヨナ抜き音階が残したもの
(十)童謡『赤とんぼ』の解析
(十一)『パプリカ』の解析
(十二)そして、よなおしギターへ


【無料で学べる!】
よなおしギター動画でレッスン!




【資格取得に挑戦!】
1日でインストラクターになれる!

facebook広告用(中級インストラクター集中講座)


【注目記事】
よなおしギターのことが分かる3つの記事!

1、まずは、弾いてみよう!~どんなに簡単な楽器か動画で確認!~
2、よなおしギターの特徴~簡単に弾ける秘密はこれ!~
3、よなおしギターの楽譜~楽譜が読めなくても簡単に弾ける!~



よなおしギターのご注文はお電話1本!

055-926-1171

すみやグッディ沼津店まで
※営業時間は10時~20時になります。

または

専用通販サイト『よなおし屋さん』へ

⇒ブログホーム画面へ戻る