『ヨナ抜き音階と日本の音楽教育11』

『パプリカ』の解析

いよいよ『パプリカ』である。

記事の冒頭、「この曲のメロディにはヨナ抜き音階が多く使われていると言っても差し支えない」と書いたが、ではそのメロディにどこまで日本人的な要素が込められ芸術性が高められているのかを見てみたいと思う。

パプリカ(日本音階的解析完成)

ご覧のように『パプリカ』のメロディの中には日本人が古来より歌い親しみ続けた3つの音のグループがこれだけ内包されている。

またその使い方も秀逸だ。

子供たちが遊んでいる様子が歌われるAメロは、日本の子供がわらべうた等で慣れ親しんだ民謡の3音の割合が多く、取っつきやすく歌いやすい。夏や晴れの歌詞が出てくるBメロは、ヨナ抜き音階から完全に脱却し明らかに雰囲気が変わり、バックに沖縄の三線のような音とリズムが流れる中で琉球の3音を使っている。そして、感謝や祈りを連想するサビは、律の3音が多く使われ最後も律で終わり、厳かな雰囲気を演出している。

さらに、これら3音グループが曲の大事な部分に使われているというのも効果的だ。

特にAメロの歌い出し(下降)とサビの歌い出し(上昇)で民謡の3音が使われているのは、懐かしい雰囲気と歌いやすさを兼ね備えると同時にAメロが下降しサビで上昇するため対比的にサビで盛り上がる演出となっている。このサビの歌い出しがちょうど「せっせっせーのよいよいよい」の「よい・よい・よい」と同じメロディなので、子供たちは自然と心が躍り手遊び(振り)をつけたくなるかもしれない。

このメロディが意図的に作られたものでも、偶然に生まれたものだとしても、いずれにしても米津玄師という人は驚くべき芸術的才能と感性の持ち主であると言える。

こういった才能や感性はどのように育まれるのだろうか?

もちろん、生まれ持ったものや本人の努力も大いに影響しているのは間違いない。だとしても、たとえ彼ほどのレベルではないにしても、このような音楽的な才能や感性を今の子供たちの中に育むことは十分に可能だと思っている。

ただそれには、子供に対する適切な教育と適切なツールが必要となるだろう。

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【ヨナ抜き音階と日本の音楽教育 全12記事】
(一)近代教育の開拓者 伊沢修二
(二)近代音楽教育が目指したゴール
(三)伊沢修二の実験と理屈
(四)長調への拘りと体操教育での経験
(五)たどり着いた答え『呂音階』
(六)呂音階の推進を後押しするもの
(七)集大成『小学唱歌集』に見られる拘り
(八)伊沢修二に対する批判と民謡音階
(九)伊沢修二とヨナ抜き音階が残したもの
(十)童謡『赤とんぼ』の解析
(十一)『パプリカ』の解析
(十二)そして、よなおしギターへ


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