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今回の記事は、いつにも増して長く理屈っぽくなることが予想されます。

ただ、今後よなおしギターが広がりを見せていく過程で、決して避けては通れないであろうこの楽器に対する批判や疑問について、今の段階で開発者として意見を示しておいた方が良いだろうという思いから、今回の記事を書くことにしました。

よなおしギター誕生の具体的な経緯について興味のある方、また、ご自身のアイディアで特許を取得したいという方もぜひ読んでみてください。


よなおしギターは開発なのか?

今後よなおしギターの広がりと比例して最も多く出る批判や疑問は、恐らく『これは開発なのか?』ということだと思います。

実はすでに、少数ではありますが、そういった意見を見聞きしています。

『開発』の意味を調べると『新しい技術や製品を実用化すること』とあります。

よなおしギターの技術は、特許を取得したことで国から『新しい技術』と認められました。また、その後この技術が製品化され実用化されていることも、当ブログなどでお知らせしていますね。

つまり、そういった意味では、堂々と『よなおしギターは開発である』と言えるわけです。

ただ、中にはこれに納得できない人達がいるであろうことも、容易に想像できます。


ギターのチューニングの自由度

一般的なギターのチューニングは、低い方の弦から順に <ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ> となります。

ただこれは、あくまでもギターの『レギュラーチューニング』といわれるチューニング方法で、数多く存在するチューニング方法の1つでしかありません。

ギターに限らず弦楽器の多くは、チューニング自体を演奏者が自由に変えることができるんです。ギターのチューニング方法も(演奏に耐え得るかどうかは別にして)無限に存在するといっても過言ではないんです。

実際、多くのギターリストがレギュラーチューニング以外のチューニングに合わせたギターを使って演奏しています。

これを『変則チューニング』と言ったりします。

ここで疑問が浮かびます。

なぜレギュラーチューニングが <ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ> なのか?

そして、なぜ『変則チューニング』をする必要があるのか?


なぜ<ミラレソシミ>なのか?

1つ目の疑問、『なぜレギュラーチューニングが <ミ・ラ・レ・ソ・シ・ミ> なのか?』については、諸説あるようですが...

実は明確な理由を見付けることができません

もちろん、このレギュラーチューニングにより、ギターはここまで発展したと言っても良いでしょう。ただ、だからといって、このチューニング方法に明確な理論的理由があるとは、私も思えません。

逆に言えば、『ギターの最も一般的なチューニング方法に明確な理論的理由がない』からこそ、演奏者は自由にチューニングを変えて楽しむことができるのかもしれませんね。


なぜ変則チューニングをするのか?

ではなぜ、演奏者は楽曲によって自由にチューニングを変えるのか?なぜ『変則チューニング』をするのか?考えてみます。

これは、一言で言ってしまえば『ある響き(和音)を簡単に出すため』となります。

実は、先ほどのギターの一般的なチューニング方法であるレギュラーチューニングも、どちらかといえば『綺麗な響きを簡単に出すため』に決まっていったとうことが言えるのかもしれません。

その理由の1つが、隣り合う弦と弦の音程が1度と4度(あるいは1度と5度)という組み合わせになっているからなんです。

この、1度と4度、あるいは1度と5度という組み合わせは、一般的には非常に良い響きとされ、コード演奏には欠かせない音程になります。

ギターのレギュラーチューニングでは、何もせずに隣同士の弦がこの良い響きを出してくれるという訳です。

さらにもう1つ、レギュラーチューニングが『綺麗な響きを簡単に出すため』に適している理由があります。

それが、1番低い音から1番高い音まで2オクターブの音域があるということです。

和音は、それに使われる音の数が多くなればなるほど、1オクターブ以内では響きが濁っていきます。隣の音同士が干渉してしまうからです。

これは、1両だけの電車に人が多く乗れば乗るほど揺れた時に隣の人とぶつかりやすくなってしまう状態と似ています。

その点、チューニングの時点で2オクターブの音域があれば、それは同じ人数でも2両編成の電車に分乗できることと同じで、音と音が干渉するのを緩和することができるんです。

そう考えると、ギターはどちらかというと和音を簡単に綺麗に出すためにここまで発展していった楽器ということが言えるのかもしれません。

そこで探求心の強いギターリスト達は考えるわけです...

『もっと色々な響き(和音)を簡単に出す方法はないか?』

つまり、ブルースが好きなギターリスト、ヨーロッパ民族風の響きを求めるギターリスト、アジアや中近東のような響きが好きなギターリストなどが、それら楽曲の雰囲気をかもす響きを簡単に出す方法はないかと考え、試行錯誤した結果、変則チューニングが生まれたというわけです。

2つ目の疑問の答えとして、演奏者は『ある響き(和音)を簡単に出すためにチューニングを変える』ということが言えるのです。


よなおしギターは変則チューニングなのか?

このように、ギターという楽器は、チューニング方法が決まっているようで実際には演奏者が勝手にチューニング方法を変えて演奏しても全く問題ない楽器なんです。

そしてこの事実は、経験豊富なギターリストなら誰でも知っている当たり前のことなんですね。

そこで、よなおしギターが登場します。

このギターのチューニングは、<ド・レ・ミ・ソ・ラ・ド> です。

【関連記事】よなおしギターの特徴~簡単に弾ける秘密はこれ!~


このチューニング方法は、明らかに一般的なギターのレギュラーチューニングとは違います。違うのですが、上で述べたように、ギターはチューニングを自由に変えられる楽器です。

つまり・・・

多くのギターリストから、「よなおしギターは開発では無くただの変則チューニングだ!」という批判が出ると予想できるわけです。

これは至極ごもっともな意見です。

実は、特許出願後に特許庁から送られてきた『拒絶理由』、つまり『これは既存の技術を参考にすれば思い付くことなので発明とは言えず特許を取得することはできません』という通知にも、上の意見と同じことが書いてあったんです。

特許庁の審査官も「ギターは変則チューニングをするのが当たり前の楽器で、チューニングを変える技術は新しいものではありません」と言うのです。

そこで私は審査官に次のような反論をしました。

『これまでのギターのチューニングを変える変則チューニングの目的は、ある特定の響き(和音)を簡単に出すために行われるものである。その為、変則チューニングは1オクターブを超える音域で行われる。何故なら、1オクターブ以内での和音は音が多くなるにつれ響きが悪くなるからである。一方よなおしギターのチューニングは、1オクターブ以内のヨナ抜き音階で行われる。これは、簡単に響き(和音)を得るのが目的ではなく、1オクターブ以内のヨナ抜き音階で作られた曲のメロディを簡単に弾くのが目的である。その為、一般的なギターで行われる変則チューニングとは、その目的や概念、そのことによる効果が異なる。』


よなおしギターは弦のセットも違う

これまで説明してきたように、ギターという楽器は、確かにいろいろなチューニング方法で演奏を楽しめる楽器です。

ただ、一般的なレギュラーチューニングも変則チューニングも、2オクターブ、あるいはそれに近い音域で合わせるのが当たり前となっています。

なぜなら、1つには上で説明したように響きが綺麗になること。それに加え...

変則チューニングをするのにわざわざ6本の弦のセットを変えてまで行う有利性が無いからです。

変則チューニングは、レギュラーチューニングからサッと短時間で変えられるところに利点があります。

6本の弦のセットを張り替えることなくそのままで様々に変えられるからこそ、便利でありここまで変則チューニングが発展したと言えます。

つまり、レギュラーチューニングも変則チューニングも、基本的には同じ弦のセットを張ったままの状態で行われます。

一方。

よなおしギターは、一番低い音の弦から一番高い音の弦まで1オクターブの音域しかありません。

それはそもそも、ヨナ抜き音階という五音音階の定義が『1オクターブ内に5つの音がある音階』というものですから、当然、ヨナ抜き音階にチューニングを合わせれば、低い音から高い音まで1オクターブとなるわけです。

『チューニングを音階そのものに合わせる』

その考え自体が一般的なギターの『特定の響きを簡単に出すため』の変則チューニングとは一線を画しているわけですが、チューニングを1オクターブ以内に収めるため、6本の弦のセットも一般的なギターのものと変える必要がありました。

なぜなら、一般的なギターの弦のセットのままでは、よなおしギターと同じ<ド・レ・ミ・ソ・ラ・ド>のチューニングにすると演奏は不可能な状態になるからです。


チューニング以外の新たな問題

私がよなおしギターの構造を皆さんに説明する時、「この楽器の命はチューニングです」と言います。

よなおしギターのチューニングには明確な理論的な理由があり、そのお蔭で、誰でも簡単にメロディが演奏できるというギターが出来上がったのですから。

確かに、既存のギターリストの中には、『チューニングが違う』ということだけに注目し「それはただの変則チューニングだ!」と言う方もいるかもしれません。

でも明らかに、このチューニング方法に至るまでの理論的な理由、望む効果、概念が一般的に行われている変則チューニングとは異なっているんですね。

つまり、よなおしギターのチューニングは変則チューニングというよりも『構造そのものが違う』ということが言えるわけで、私はこの事実だけでも『よなおしギターは開発である』と言えるのではないかと思うのですが...

事態はそんなに簡単ではなかったんです。

特許庁の審査官は、このチューニング問題が解決しただけでは『まだ新しい技術だと認められない』と言うのです。

これは、既存のギターリストよりも手強いゾ!

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【注目記事】
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1、まずは、弾いてみよう!~どんなに簡単な楽器か動画で確認!~
2、よなおしギターの特徴~簡単に弾ける秘密はこれ!~
3、よなおしギターの楽譜~楽譜が読めなくても簡単に弾ける!~



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