児童虐待の対策案

先日、こんなツイートをしました。


このツイートのリンク先の記事は、あまりにも悲惨でやりきれない虐待事件の裁判について書かれたもの。

虐待のニュースが多すぎて、常にチェックしている私も流石に追い切れなくなっています。

記事によると『全国の児童相談所が平成28年度に対応した児童虐待の件数は、過去最多の12万2578件。そのうち虐待によって死亡した児童は52人(心中以外)』ということです。

これに表面化しない虐待の数を入れたら...

いったい、どれほどの子供たちが毎日苦しみ、悲しみ、泣いて、怯え、助けを求めているのだろうか?

誰もが『虐待を防がなければいけない!』と強く思っているのだろうけど、毎年虐待件数が増えているところを見ると、抜本的な対応策は未だ確立されていないと言える。


児童虐待の難しさは、記事にもあるように『密室』そして『児童相談所が把握しきれない』ということがキーワードとなるだろう。

それでも、絶対に虐待を無くしていかなければならないし、何を差し置いても最優先で取り組まなければならないと思っています。

そういった思いで、居ても立ってもいられず先のツイートをしました。

確かに、私の案は一見無謀に思えますね。

でも今の技術があれば、ウェアラブル端末を常に体に付けて心拍数や歩数を把握し、それをデータ化して一ヵ所に集め、リアルタイムで専門機関が全ての子供の状態を常に把握することは不可能ではないと思うんです。

データ量が膨大になれば、例えば、学校にいる時間帯で心拍数が上がることは珍しくないことも、歩数のテンポによって進む速さと心拍数との適切な関係も簡単に数値化できる。

教育機関や各施設と連携し、学校や施設の日程や行事、または欠席者などのデータをあらかじめ把握できれば、より正確な予測ができて異変に気が付きやすくなる。

家庭にいる時も同様。ウェアラブル端末を外せば、それも報告され。あり得ない時間に心拍数が上がることが続けば、それは虐待や病気など何らかの異常であり、いち早く対応できる。


こんな提案をすると『子供を管理されるのは嫌だ!』という抵抗感が出るのは当然ですね。マイナンバーカードだって、まだまだ発行していない人が非常に多いくらいですから。

ただ、今の時代、全く管理されずに生活できている人なんて無いに等しいですよね?

まさか、自分は全く人知れず今の生活を送れているとでも思っているのでしょうか?

毎日何通も送られてくる迷惑メールやダイレクトメール、何回も掛ってくるセールスの電話を受けた経験がない人なんていないでしょ?

インスタやフェイスブックの書き込み、町中に設置された防犯カメラ、車に付けられたドライブレコーダー、ポイントカードやサイトの会員登録、ネット検索やネット通販での買い物……

ありとあらゆるものから私たちの情報はダダ洩れで、常に誰かしらによって『管理』されているんです。

そして実は、多くの場合『虐待の情報』も洩れています。

多くの虐待事件で『近隣住民・保育園・幼稚園・学校』などはその兆候に気が付いているんです。さらには、児童相談所や警察も把握していた場合も多い。

つまり、情報をキャッチできているにも関わらず『人間の行動や感情』によってその貴重な情報が生かされず、子供たちが見捨てられ続けているんです。

データは量が多くなればなるほど正確な予測が可能となり、そこには『感情』というものが一切入りません。

つまり『躾の為』とか『転んだ』とか、そんな言い訳は一切通じなくなるということです。さらに、ウェアラブル端末により常に情報がチェックされていると分かれば、圧倒的な抑止力となる。

⇒『密室でありながら密室でなくなる』

さらに、一ヵ所にデータが集まれば必要な人員も少なくて済む。

⇒『少ない人数でも児童相談所が把握できる』


私は、上の子が小学校に上がる時に携帯を持たせました。もう10年以上前ですから、その頃では珍しかったかもしれませんが、学校とも交渉して子供に携帯を持たせる許可をもらいました。

さらに、ドコモの『イマドコサーチ』というサービスに登録し、いつでも子供のいる位置を確認できるようにしていました。それは、いまでも継続しています。

仮に、子供にウェアラブル端末の装着が義務付けられたとしたら、私は大歓迎です。

今でも学校に携帯を持って行かせることに抵抗がある先生や親が多いので、堂々とウェアラブル端末を装着でき、しかも子供の状態を常に専門機関にチェックしてもらえれば、事件や事故、病気などにも素早く対応できるのでこんなに嬉しいことはありません。

全ての子供にウェアラブル端末を義務付けるとなれば『子共にも人権が!』と反対する人は多いでしょう。

でもそれを言うなら、毎日何百という粗末に扱われる子供たちの人権は成す術なく放置しても良いのでしょうか?

もちろん、他に児童虐待に対する効果的な対策があればいいんです。

でも、これまでの技術では何も解決していないのもまた事実なんです。


とにかく、虐待により未来ある子供たちの人権が奪われることのない世の中になることを切に望みます。

【追記】

2018.4.30付の中国新聞αにこんな記事が掲載されました。

『生徒全員に装着型端末 広島叡智(えいち)学園「健康を管理」』

広島県にある全寮制の中高一貫校の生徒全員にウェアラブ端末の装着を義務付け、心拍数・歩数などの他、食事の回数などのデータを把握し、保護者が安心して子供を預けられる環境を整える考えとのこと。

情報の一部は保護者や学校の職員が確かめられるようになり、体調に異常があれば自動で養護教諭に伝わる仕組みも検討中だといういうことです。

子供たちの安全を守るために最新の技術を投入する姿勢は素晴らしいなと思います。これからは、あらゆることに柔軟な思考や対応をしていかないと、生き残れませんね。

ただ、中高生に必要かどうかは疑問ですが......