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地元富士宮市にあります木工房『いつでもゆめを』さまは、認知症の方などが従業員として働く工房です。そこで制作される商品は、どれも温か味があり、使用者のことを第一に考え開発された素晴らしいものばかりです。

中でも、車イスに乗ったまま体重を測ることが出来る車イス体重計『ケアスケールふじこちゃん』は、全国から注文が入る人気商品です。

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この度、『ふじこちゃん』の販売数が200台を達成したことを受け、『いつでもゆめを』さま主催によるセミナーが行われました。

そんな記念すべきイベントにて、よなおしギターの演奏と解説をさせて頂く機会を頂きました。


10月26日(木)セミナー当日


セミナーが始まる前、来場された方に順次よなおしギターを体験して頂き、その後、私のよなおしギターによる伴奏で『ふじの山』『若者たち』の2曲を皆さんと一緒に歌いました。

とても和やかな雰囲気の中、15分程度よなおしギターに関するスピーチをさせて頂きました。

以下にその内容を記載させて頂きます。


~木工房『いつでもゆめを』車いす体重計200台販売達成記念セミナーでのスピーチ~


よなおしギターを何名かの方に体験して頂きましたが、いかがでしたか?

(来場者より「簡単だった!」の声)

ありがとうございます。そうですね、この楽器は『簡単』ということに尽きます。

実はこの楽器、私が開発したんです!(来場者より驚きの声)

そして、このギターで特許も取りました!(来場者より感嘆の声)

みなさんにお配りしたチラシの裏をご覧ください。そちらの左上に『特許~号』と書いてありますね。

当日配布したチラシの裏はここをクリック!

私は、この富士宮市でギター講師をしています。私の教室は、富士宮市で唯一のギター教室です。正確には、インターネットで生徒さんを募集している個人の教室としては、です。

お蔭さまで、これまで多くの生徒さんが教室に来てくださいましたが、その経験からつくづく感じるんです『ギターは難しい楽器だ!』ということを。

生徒さんの多くは、1曲も演奏できずにやめてしまいます。

そこで、何故ギターが難しいか考えたんです。ギターは、右手と左手と全く違った動きをしなければ曲が弾けません。

これが難しいんですね!

よなおしギターは、先ほど弾いて頂きましたように、片手それも利き手だけで曲が演奏できるんです。

では何故そんなに簡単に演奏が出来るのかをご説明します。

もう一度、チラシの裏をご覧ください。そちらにいくつかこのギターの特徴が書いてありますが、主なものを1つご説明します。

チューニングに関してです。

チューニングとは、ギターの弦を上から順に弾いた時に出る音のことです。一般的なギターのチューニングは『ミラレソシミ』となっていますが、その音の並びは和音にもなっていませんし音階にもなっていません。

一方。このよなおしギターのチューニングは『ドレミソラド』になっているんです。

この音の並びは『ヨナ抜き音階』と言われています。

明治時代、西洋の文化が入ってきた時、皆さんよくご存知の『ドレミファソラシド』も日本に入ってきました。

ただ、この『ドレミファソラシド』は、当時の子供たちには難しかったんですね。

その為、当時の文部省が、昔から歌い継がれている子供たちに馴染の深い曲にはどんな音が使われているのかを研究したんです。

その結果、『ドレミファソラシド』から『ファ』と『シ』を抜いた音の並びがそれに一番近かったんです。

『ファ』はドから数えて4番目、『シ』はドから数えて7番目。4番目と7番目が抜けていたので、『よ(4)な(7)抜き音階』と言われています。(来場者より納得の声)

その後当時の文部省は、このヨナ抜き音階を使って子供たちに親しみやすく歌いやすい曲をたくさん作りました。

それが『文部省 唱歌』ですね。(来場者より「なるほど!」の声)


まだよなおしギターを思い付く前、音階のレッスンの1つとして、ギター教室の生徒さんにそんなヨナ抜き音階のお話をさせて頂いていました。

そんなある日。お風呂に入ろうと脱衣所で服を脱いでいた時です。別にギターのことを考えていた訳では無いのですが、突然閃いたんです。

『待てよ!ヨナ抜き音階はドレミソラドで6音、ギターの弦も6本、これを組み合わせれば簡単に曲が弾けるぞ!』

そのアイディアが形になったのが、このよなおしギターなんです!

このギターは、片手だけで30曲の童謡や唱歌が演奏できます。30という数は、趣味でギターを弾く場合の曲数として十分な数だと思います。

今では、メーカーでの生産も決まり、楽器店での販売も始まっています。(来場者より「お~!」の声)

ただ私、今日はこのギターを開発したという自慢をしに来たわけではありません。

今日は、このギターの有利性についてお話しさせて頂きたいんです。


昨夜、この認知症関連のセミナーに参加させて頂くということで、『認知症予防と楽器』ということについてインターネットのヤホーで調べてきました。(ややすべり)

そうしましたらね、『認知症予防と楽器』についての研究がたくさんあるわけです。

その中で面白いものを1つご紹介します。

※ここで、以下の研究を簡単にご紹介しました。

『奈良県立医科大学』が行った研究

【認知機能低下傾向にある地域在住高齢者を対象として行った懐メロを用いた回想法の効果を明らかにする】

この研究は、明治・大正・昭和の各歌集の中からリクエストされた曲を、参加者は、用意された楽器の中から好きな楽器を選び演奏しながら歌い、その後、歌によって思い出された出来事を自由に語る、という方法で行われています。

その結果は以下のように出ました。

HDS-R(認知症の診断に使われる認知機能テストのひとつ)において、セッション後の値が有意に高い結果となり、本研究において地域在住高齢者への懐メロを用いた回想法によって認知機能が改善されたことが明らかとなった。これは、懐メロを用いた回想法で想起された過去の出来事を語ることにより、エピソード記憶が活性化し、記憶を中心とした認知機能が改善されたのではないかと考えられる。

~研究内容ここまで~

この研究で分かることは、懐メロによる回想法で認知機能が改善したということですが、私はもう1つこの研究には大切なことが含まれていると思うんです。

それは、参加者が自ら歌いたい曲を考えリクエストし、さらにそれを演奏しながら歌う、そしてそれについて話すという、非常に積極的な働きかけを行い参加者自ら意思決定をしている点です。


本日、こちらに伺う前に、やはりインターネットのヤホーである記事を目にしました。(だだすべり)

その記事によると...

これからの認知症対策には『意思決定支援』が大切だということです。

※外部関連記事【「本当は何を望んでいるの?」 認知症高齢者 その意思はどこに】

認知症を患っていようと、必ず本人の意思はあり、その人の本当の意思を一緒に考えていくことが大切だと。


私が小学生の頃、同居していたおばあちゃんがかなり重度の認知症でした。そして、おばあちゃんは毎晩のように言う訳です...

「(家に)帰りたい!」「(お金を)取られた!」と...

それに対して、家族は憤りを感じるわけです。

ただもしかすると、『帰りたい!』のは家ではなく『あの日』や『あの時代』かもしれない。『取られた!』と思っていて本当に取り返したいものはお金じゃなく『自由』かもしれないし『若さ』かもしれない。

そういった、本人の心の深いところにある本当の意思を一緒に考えていくことが大切だということなんですね。


そんな中で、じゃあこのよなおしギターには何が出来るのか?

皆さん、いま75歳位の方が20歳位の頃。そうですね、今から55年ぐらい前になりますか、音楽的な一大ムーブメントが始まったのをご存知ですか?(しばらく考えてもらう)

フォークソングブームです!(会場より「あ~」の声)

実際にリアルタイムでその時代を経験された方に聞いたことがあるのですが、その当時、ギターが楽器屋さんで売っているのは当たり前、レコード屋さんにも置いてあった、そしてなんと家具屋さんでも店先に吊るして売っていたと言うんです。

それほどとてつもなく大きな流行で、今のアイドルグループなどの流行とは比べ物にならなかったほどだそうです。

つまり、その当時そのムーブメントを経験した人たちの中には『ギターを弾きたい!』『みんなで歌を歌いたい!』という意思を潜在的に持っている人が相当多くいるだろうと予想できるわけです。

ただ、先ほどもお話ししましたように、そういった方に今「はいどうぞ」と普通のギターを渡しても難しくて弾けないわけです。もし認知症を患っていらっしゃれば尚更です。


私がレッスンをしているよなおしギターのグループの中に、認知症の方がいらっしゃいます。

その方は、よなおしギターを始めてから3年間レッスンに通ってきてくださっています。よなおしギターは、初めて触って直ぐに曲が弾けるわけですから、演奏の仕方を忘れてしまっても全く問題ないわけですね。

そしてこの楽器で誰でも簡単に演奏できる曲が、誰にとっても懐メロである童謡や唱歌なんです。

さらに重要なのは、一緒に趣味を楽しむ仲間がいて、毎月2回通って、みんなに「ほらほら」とフォローされながら演奏と歌を楽しんでいることなんですね。

素人目ではありますが、その方はよなおしギターを始めた3年前と比べて、認知症の症状が進んでいるようには見えないんです。


『ギターを弾きたい!』『みんなで歌を歌いたい!』という意思を潜在的に持っている方はたくさんいらっしゃいます。このギターはそういった方たちが潜在的に持っている意思、本当の意思を引っ張り出すことが出来るんです。


認知症?関係ありません、初めてでも弾ける楽器です。

半身麻痺?関係ありません、片手で弾ける楽器です。

障害がある?1~6までを認識できれば誰だろうと全く関係なく弾ける楽器です。


ぜひ、そういった方にこのギターを渡してこう言ってあげてください。


「一緒にギター弾いて歌いましょう!」


最後にひとこと言わせてください...

このギター、私が開発しました!(来場者爆笑)


この度は、『ふじこちゃん』販売数200台達成おめでとうございます!

そして、この貴重なお時間を頂きまして、本当にありがとうございました!

~スピーチここまで~


スピーチを終えた後の休憩の時間、来場者の多くがよなおしギターの周りに集まり演奏を楽しみました。たくさんの方が興味を持って下さったようです。

記念のセミナーという大切なイベントにも関わらず、よなおしギターのために貴重な時間を割いて頂いた『いつでもゆめを』の関係者の皆様、本当にありがとうございました。


『いつでもゆめを』さまのとても素敵なウェブサイトはこちら⇓
いつでもゆめをウェブサイト


【関連記事】認知症の祖母とよなおしギターを弾いた話

ご自身もギターリストである【こもれび】さまは、「認知症の祖母と一緒に弾きたい!」と、よなおしギターをご購入くださいました。

御祖母様がよなおしギターを真剣にそして楽しそうに弾く様子を見た【こもれび】さまは、『これは脳トレにいいかもしれない!』と思ったそうです。その様子をブログの記事にして下さいました。

高齢の方、認知症を患っていらっしゃる方が、どのようによなおしギターと関わり、どのような効果があるのか、とても分かりやすくまとめて下さっています。

ぜひ、ご一読を!
『認知症の祖母とよなおしギターを弾いた話』アイキャッチ


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【注目記事】
よなおしギターのことが分かる3つの記事!

1、まずは、弾いてみよう!~どんなに簡単な楽器か動画で確認!~
2、よなおしギターの特徴~簡単に弾ける秘密はこれ!~
3、よなおしギターの楽譜~楽譜が読めなくても簡単に弾ける!~



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※営業時間は10時~20時になります。

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